エニシダは江戸時代に中国を経由して渡来した地中海地方原産の落葉低木。高さ数mになり、枝はほうき状に
分かれて先端は垂れ下がる。4月から5月にかけ、黄色い花を咲かせる。葉は3つの小葉からなるが、花の咲く
枝では頂小葉のみになるので、単葉に見える。落葉低木といっても少し趣は異なる。春には新しい葉がでるもの
の、初夏には葉が少なくなり種子が稔る9月頃には点々と葉が残る程度になってしまう。枝が葉緑素を持ってい
るので、あまり葉を付けていなくても十分光合成できるのではないかと思う。原産地の地中海地方は、夏が少雨
で乾燥する時期であるので、温暖で適度な降雨のある春には葉を付け、乾燥する夏には葉を少なくして耐えるラ
イフサイクルになっているものと思われる。
     市浦村・道の駅「十三湖高原」付近  2004.6.12撮影